
どうも、漫画大好きブロガーhasuke(@hasuke_hobby)です。
今回は漫画『ドラえもん』0巻の感想・レビュー記事になります。
基本的にネタバレ控えめ感想。
終盤に項目を分けて、ネタバレ有りでも語っています!
『ドラえもん0巻』作品情報
<作者>
藤子・F・ 不二雄
<掲載誌>
小学館の学習雑誌など
<連載期間>
1969年~1996年
<単行本>
全45巻+その他多数(大長編など)
『ドラえもん0巻』収録内容
・ドラえもんあげる(『よいこ』第1話)
・ドラえもんがやってきた(『幼稚園』第1話)
・ドラえもん登場!(『小学一年生』第1話)
・未来から来たドラえもん(『小学二年生』第1話)
・机からとび出したドラえもん(『小学三年生』第1話)
・未来の国からはるばると(『小学四年生』第1話)・愛妻ジャイ子!?(『小学三年生』第2話)
・ハイキングに出かけよう(『小学五年生』第1話)・新連載の予告
・ドラえもん誕生秘話・各話解説/「ドラえもん誕生」の背景
・「ドラえもん」全45巻収録作品一覧
『ドラえもん0巻』ネタバレ無しレビュー

ストーリー:
画力 :
キャラ :
個性 :
総合評価: A
『ドラえもん』0巻は誕生50周年を記念して6種類の「幻の第1話」を収録した単行本です。
販売当初から売り切れ続出の凄まじい人気を見せていた『ドラえもん』0巻。
『ドラえもん』大好きな自分としては絶対欲しかったので何とか買ってきました!
さすがに期間があけば少し落ち着いていましたね。それでも一人一冊だったけど(笑)。

そんな大人気『ドラえもん』0巻をレビューしていきます!
<ストーリー>『ドラえもん0巻』
それでは内容に触れていこうと思いますが『ドラえもん』自体のストーリー全般についてはいまさら説明の必要も無いですよね?笑。そこは割愛します。
今回の0巻の大きな目玉は何といっても6種類の「第1話」が読める事です。
という事で注目の6種類の1話を読んでみましたが、大きな流れとしてはてんとうむしコミック版の第1話と同じですね。
ちょっと詳しく書くと「のび太の家にドラえもんとセワシがやってきて、ドラえもんが居候する事になる」といった流れ。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
基本軸はこれで変わらないので正直大きな違いはありません・・・が、ドラ好きからするとそれぞれの細かい違いが興味深かったですね。
てんとうむしコミック版の第1話では基本のび太はドラえもん・セワシと一緒に家にいるんだけど、今回の他verでは友達の家でかくし芸大会をやったり、ジャイアンたちと凧揚げをやったりと展開が新鮮。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
また雑誌の対象年齢(幼稚園児~小学生4年生)によって、絶妙に話のバランス感覚を変えているのが凄いんだよね。しかも『ドラえもん』独特の作風は崩れない。
この辺から見えてくるF先生の力量は並の漫画家を凌駕しているなぁと改めて実感。
ドラ好きの自分としては、細かい変化のある1話たちは面白いだけじゃなく興味深さもあり満足でした。
ただそこまでドラえもん好きじゃ無い人からしたら、似たような話が多いのであまりお得感が無いかもしれません。
本巻には第1話以外の話も収録されています。
愛妻ジャイ子!?(『小学三年生』第2話)はてんとう虫コミック版の第1話にも流用されたネタを含む話。のび太の未来におけるタイムパラドックスの説明部分が使われています。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
そこはあくまでもオマケみたいなもんだけど、その後のジャイ子とのラブコメは意外に面白かった。なんでジャイ子とラブコメしてるんだよとツッコミたい(笑)。
ハイキングに出かけよう(『小学五年生』第1話)はドラミちゃん初登場話。
これもドラミちゃんが面倒くさいトラブルメーカーになっていて、皆がドラミちゃんに振り回されるのが面白いんですよ。
この2話はてんとう虫コミック版にない話なので良かったですね。
ジャイ子やドラミのキャラが原作と少し違うのも、新たなドラえもんの一面を観れてファンとしては嬉しいところ。
この2話は「幻の第1話」と同じぐらい読む価値あり!
そして、次に収録されているのは新連載の予告(一枚絵)。これは見た事ある人多いんじゃないかな?
自分はこれ好きなんですよね~。1枚の中にワクワクが凝縮されてるんですよ。躍動感ある机周りと「出た!」の力強さが最高!いつ見ても味があります。
そしてF先生が主役の「ドラえもん誕生秘話」も読んだ事ある人は結構いるかも?自分も何かで読んでるんだよなぁ。
引用:漫画『ドラえもん』0巻
正直そこまで面白い話では無いですが、ドラえもんの誕生エピソードを知らない人は一度読んでみても良いと思います。
その次の「各話解説」では6種類の第1話が細かく解説されています。これは思った以上にしっかり考察しているのでドラ好きなら当然読んで損なし。
ラストは「ドラえもん全45巻収録作品一覧」。単行本表紙と収録話の一覧ですね。これに関しては懐かしいなぁぐらいの感覚(笑)。
どの表紙も明るくて好きなんですよね。ちなみに一番好きなのは30巻表紙。気取らないポーズから楽しさが全面に伝わってくるんです。
知ってる人は知ってると思いますが、原作漫画のドラえもんはシュールでシニカルな面が結構あるんですよね。特に初期はそれが顕著。
この巻に収録されている話にもそれはたっぷりと含まれていました(笑)。
何せ幼稚園児向けの「めばえ」の話ですら、セワシ「おとしだまにドラえもんをあげる」、のび太「いらないよ、そんなへんなの」ですからね。辛辣すぎるよ(笑)。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
この雑なコミュニケーションが逆に人間味あって笑えるんですよ。そもそも人間ってそんなもの、特に子供は考えなしに発言するのでむしろリアルだよね。
子供向けでも媚びずに良い子ちゃんな作品を作らない。そんなF先生が素敵だ。
<画力>『ドラえもん0巻』
画力についてですが、初期ドラなので絵柄は結構違うんですよね。
さすがに後期と比べると拙さは感じるかな?でもずんぐりむっくりなドラえもんも好き(笑)。
ただ年齢層が低い雑誌verなので、かなり子供向けにデフォルメしてるとは思います。
引用:漫画『ドラえもん』0巻
「幼稚園」版のジャイアンとスネ夫は間抜け要素が強くて何か笑える(笑)。
<イマイチだった点>『ドラえもん0巻』
ドラ好きからしたらそこまでマイナスな部分は無いんですけど、そこまで愛着が無い人からすると、同じような話が多数を占めているのでちょっとガッカリかも?
また価格が700円(税抜)と結構いい値段するので、137ページしかない事を考えるとボリューム不足は否めないですね。
<まとめ(ネタバレ無し)>『ドラえもん0巻』
ドラえもん好きとしては最高のファンブック!でもちょっとボリューム少ないかなぁ(笑)。
自分としてはますます『ドラえもん』を好きになれる1冊でした。
ただ位置づけとしては本編『ドラえもん』のオマケなので0巻も良いですが、本編『ドラえもん』でまだ読んでない話がある人はぜひそっちも読んで下さいね。
下にネタバレ有りのレビューを書いているので、読了済みの方はぜひ!
・『ドラえもん』大好きな人
・初期の『ドラえもん』に興味がある人
ネタバレありレビュー『ドラえもん0巻』
それではここからはネタバレ有りという事で一話ずつレビューしていきます。
どれも基本的なストーリーは、のび太の元にドラえもんとセワシが訪れる話です。
まず「ドラえもんあげる(『よいこ』第1話)」。何とたったの4ページという超短編。
いきなり1コマ目でドラえもんとセワシが机から出てくるのには笑った(笑)。
でもこの短いページでもしっかり起承転結を付けてるのが素晴らしいんですよね。
またドラえもんが四足歩行するのが新鮮なお話。最後はセワシも引くレベルのドラ暴走オチで面白かった(笑)。
こういうシンプルに笑わせてくる話が『ドラえもん』は強い。
次は「ドラえもんがやってきた(『幼稚園』第1話)」。こちらも4ページ。
出だしは先の話とほぼ同じだが、その後の展開が変わりジャイアンとスネ夫が登場。
間抜けな顔のジャイアンが笑えます。このジャイアンはちょっと優しそう(笑)。
ただラストの「友達になろうね」というセリフが、いかにも幼児向け作品で『ドラえもん』らしくないんですよ。なのでこの話だけはちょっと微妙だった。
次は「ドラえもん登場!(『小学一年生』第1話)」。表紙含め8ページ。
これは他と違う異色な話でのび太は特に何もせず、ドラえもんとセワシだけで動くという妙な展開。
後ろからドラえもんとセワシが見てるのにお使いを忘れて、誘われたからと言って急に遊びだすのび太はちょっと強引だったかも。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
ドラえもんがタケコプターも付けずに飛んでいたり、他と大きく設定が違うのが興味深い話でした。
次は「未来から来たドラえもん(『小学二年生』第1話)」。表紙含め11ページ。
この話は『ドラえもん』らしさ全開で面白い。
「きみは何をやってもだめなやつで…」「大人になってもロクな事をしないんだ」など毒舌も絶好調。
至るところでキャラが毒を吐いていてかなり笑えます(笑)。
オチのドラえもんがネコのマネをするのも面白い。「可愛いと思うのになぁ」とすっとぼけるドラにまた笑わされるんですよ(笑)。
次は「机からとび出したドラえもん(『小学三年生』第1話)」。表紙含め15ページ。
この話は子供として難しい用語も出てきて、小学三年生向けなので話のレベルを明らかに上げてきているのが窺えた話でした。
タイムテレビで実際の落ちぶれるのび太を投射するのが面白い。子供からしたら割とショッキングな展開なのに容赦ないのが本当好き(笑)。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
最後のオチはまさかのドラえもんがドブに落ちてやらかすというパターン。これも途中でのび太と未来のび太がドブにはまるシーンでサラッと伏線を貼っているんですよね。F先生の構成の巧さが光ってます。
個人的にはてんとう虫コミック版を除いて一番好きな1話。
次は「未来の国からはるばると(『小学四年生』第1話)」。表紙含め15ページ。
これはてんとう虫コミック版の1話とほぼ同じな話ですね。のび太の悲惨な未来を写真で見せたりとじっくり信用させていく話。
今改めて見ると一番完成された話ですね。のび太が奇想天外な話を信じるまでの課程をきちんと描いているので説得力を感じます。普通はなかなか信じられないよね(笑)。
ちなみにこの話でも描かれてるけど、ドラえもんが初めて食べるのはどら焼きじゃなく餅、これよくクイズに出ます(笑)。
引用:漫画『ドラえもん0巻』
続けて読んでいくと雑誌ごとの対象年齢が違うので、徐々に話のレベルを変えているのがよく分かります。
その中で作品に個性を入れ込み、違う1話を作り上げるF先生の手腕には尊敬の言葉しか出てこないですよ。
ますますドラえもんが好きになった「0巻」でした!
