どうも、漫画大好きブロガーhasuke(@hasuke_shinen)です。
今回は2019年11月に完結した漫画『響〜小説家になる方法〜』の感想・レビュー記事になります。
基本的にネタバレ控えめ感想。
終盤に項目を分けて、ネタバレ有りでも語っています!
『響〜小説家になる方法〜』作品情報
<作者>
柳本光晴
<掲載誌>
ビッグコミックスペリオール
<連載期間>
2014年8月~2019年10月
<単行本>
全13巻
『響〜小説家になる方法〜』あらすじ
とある文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、直筆の投稿原稿。
編集部員の花井は、応募条件を満たさず、ゴミ箱に捨てられていたその原稿を偶然見つける。
封を開けると、これまで出会ったことのない革新的な内容の小説であった。
作者の名は、鮎喰響。連絡先は書いていない・・・
『響〜小説家になる方法〜』ネタバレ控えめレビュー
ストーリー:
画力 :
キャラ :
個性 :
総合評価: B
『響〜小説家になる方法〜』は「2017マンガ大賞」を受賞し、平手友梨奈主演で実写映画化もされた作品になります。
何かと派手な展開が面白い作品でしたが遂に13巻で完結しました。自分も好きな作品だったので項目に分けてレビューしていきます。
<ストーリーについて>『響〜小説家になる方法〜』
女子高生・鮎喰響が小説家になっていく物語なのですが、この響がまぁ問題を起こすんですよ。こっちが予想する斜め上の行動をしてきますからね(笑)
そんな響の唯我独尊に周りが振り回されながら進んでいく物語が破天荒で面白いんです。
なんせ小説家の話なのに暴力行為がバンバン出てきます。顔面を蹴る、指を折る、イスで殴る等々、ヤンキー漫画かな?ってぐらい(笑)
引用:漫画『響 〜小説家になる方法〜』
一線をあっさり越える爆弾少女の破天荒な物語は独特な魅力がありますね。
舞台は小説のみならず、テレビ、漫画の世界にも広がっていきます。そこで出てくる個性の強いキャラ達と響の化学反応がまた凄まじい。
響の執筆する純文学は現在斜陽なジャンル、それを盛り上げようとする編集者たち、そして異色な作家たちが出てきます。
更にはテレビ業界ではドラマ側がアニメ側を蔑んでいたり、と生々しい裏事情が(事実かは分からないけどあり得そうなんですよね)
引用:漫画『響 〜小説家になる方法〜』
そんな業界の裏側を覗けるのもこの作品の面白い所です。
<画力について>『響〜小説家になる方法〜』
画力ははっきり言って下手かな(笑)。
しかも進むにつれて下手になっているんじゃないかと思うぐらい、終盤は酷い。
顔もさることながら体のバランスがね・・・
ただある種の「味がある」と言えるかも。『ドラゴン桜』もそうだけど、作品の雰囲気に合っているように感じたりもします(そう思うしかないかもですが笑)
<キャラについて>『響〜小説家になる方法〜』
引用:漫画『響 〜小説家になる方法〜』
作品のタイトルになっているぐらい響の存在感はかなり大きい。主人公だから当たり前ではあるけど(笑)
常人離れした行動の連続に痛快…を通り越してイラッとする事も結構あり。平気で暴言を吐き暴力をふるう、そして何の反省もしない。はっきり言って自分もあまり好きじゃない主人公です(笑)
しかし、響からはパワーが溢れており、作中の登場人物と同じく読んでいるこっちも響に振り回されるような独特な感覚を覚えるぐらいです。
この響の異様性は天才という理不尽な存在をしっかり描写できていると思う。スティーブ・ジョブズなんかも性格悪い事で有名ですよね。
引用:漫画『響 〜小説家になる方法〜』
その他にも同種の天才であるぶっとび漫画家、ドSな敏腕プロデューサーなど曲者が続々と登場。
「才能はあるけれど人間性は最悪」というキャラを描くのが実に上手い作品です。
そういう曲者たちは響にもひるまずぶつかってきます。それはもう激しい攻防が繰り広げられるわけですね(笑)
でも、そういったキャラ達の方が友達より響を理解しているように感じられるのがまた興味深い。
<イマイチだった点>『響〜小説家になる方法〜』
先述した点ですが、これらは受け入れられない人が多いと思う部分ですね。自分もちょっとなぁ・・・と思いながら読んでいました。
特に響のキャラは実際にいたら警察に捕まるかボコボコにされるだろうと思いますし(笑)。そういうご都合主義な部分もイマイチな部分ではありました。
響の天才的な文才がイマイチ伝わりづらいんですよね。漫画で表現する難しさは分かりますが読んだ人が「凄い…」と驚愕しているだけでは何だかなぁと感じてしまいます。
この辺は小説をテーマにした漫画作品の課題でしょうか。
<アニメ化はある?>『響〜小説家になる方法〜』
実写映画化はされていますがアニメ化はまだされていません(2019年12月時点)
個人的にはアニメ化はアリだと思います。
ストーリーは破天荒だし、響がぶっ飛んだキャラなので良くも悪くも盛り上がりは抜群かと。ただ円盤(DVD/BD)は売れないと思うけど(笑)
ちなみに実写映画は…平手さんのファン以外は観なくてもいいかな、という映画でした(苦笑)
<まとめ>『響〜小説家になる方法〜』
手厳しい意見も書きましたが、近年珍しい個性のある作品だった事は間違いないです。
小説家、しかも純文学をテーマとした作品で破天荒な天才女子高生が主役、様々な業界人との出会いと戦い、なかなか個性ありますよね。
作者の柳本光晴先生は商業誌では今作が初連載。今後にも期待が持てそうな作者さんです。
個性あふれる作品『響 ~小説家になる方法~』。興味を持たれた人はぜひ読んでみて下さい。
ちなみに副題の「小説家になる方法」はあまり関係ないと思う(笑)
下にネタバレ有りの完結レビューを書いているので、全巻読了済みの方はぜひご覧ください!
・ぶっ飛んだ天才を見たい人
・エンタメ業界の裏側を知りたい人
・文学が好きな人
『響〜小説家になる方法〜』完結レビュー<ネタバレあり>
ついに完結した『響〜小説家になる方法〜』
最後は響はイギリスに渡り、そこでも響は今まで通りの態度でイギリス人と接しており、喧嘩になりそうになるけど響の才能にイギリス人も気付くといった終わり方。
引用:漫画『響 〜小説家になる方法〜』
まぁ余韻もあって良いラストじゃないでしょうか。あそこからイギリス編を始めてグダグダになると思いますし。
響は小説家として完全に成功したので、もうこれ以上物語としても書く事が無いと思う。
最終巻の加筆エピソードは、10年後の文芸部を訪れた響がそこで生意気な後輩を蹴り飛ばすという相変わらずな話(笑)。大人が高校生に暴行って大丈夫か?笑
でも、波乱万丈な生き方でどんな相手にも屈しない。人としてどうかとは思うけど最後までぶれなかった響は格好良かった!
できれば、リカや涼太郎・花代子たちサブキャラがどうなったか知りたいところではありましたが。
特に個人的に好きだった鏑木紫(漫画家)のその後は気になる。唯一、響に負けなかったキャラじゃないですか?笑。鏑木のスピンオフを連載してもらいたいぐらい(華が無さすぎるか笑)
しかし、どんどん雑になる作画は残念でしたね。柳本先生は次は作画付けた方が良いかも?味のある絵柄ではあるんですけどね・・・
何にせよ、粗削りながら波乱万丈で面白い漫画でした!