どうも、映画大好きブロガーhasuke(@hasuke_hobby)です。
『君の名は。』で大ヒットした新海誠監督の最新作『天気の子(公式サイト)』が公開されました
自分もさっそく鑑賞してきました。感想記事も書いているのでご覧ください。
今回はそんな話題の『天気の子』を前作『君の名は。』と色々な要素で比較・考察していきます。
この記事では以下の項目を比較しました。
・声優を比較
・主題歌・挿入歌の比較
・主人公とヒロインの比較
・前半のストーリーの比較
・後半のストーリーの比較
・クライマックスの比較
・ラストの比較
・脚本(全体のストーリー)の比較
・興行収入の比較
ネタバレ度100%なので映画を観てからご覧ください。
声優を比較
君の名は。
(役名:声優)
立花瀧 :神木隆之介
宮水三葉 :上白石萌音
奥寺ミキ :長澤まさみ
宮水一葉 :市原悦子
宮水四葉 :谷花音
勅使河原克彦:成田凌
名取早耶香 :悠木碧
藤井司 :島﨑信長
高木真太 :石川界人
ユキちゃん :花澤香菜
宮水俊樹 :てらそままさき
宮水二葉 :大原さやか
瀧の父 :井上和彦
勅使河原の父:茶風林
主要キャラを俳優が演じ、サブキャラを本職声優が演じています。オリジナルアニメ映画に多いパターンですね。
若干心配もありましたが総じてレベル高かったです。特に立花瀧役の神木隆之介さん。声がイケメン、しかも演技力も上手い!そもそもジブリ作品などで声優の経験も積んでいるんで問題無しです。
他にも長澤まさみさんが上手かったですね。そういや『コクリコ坂から』でも声優をしてました。
全体的に『君の名は。』のキャスティングはキャラに合っていたし、演技力も良かったですね。
天気の子
(役名:声優)
森嶋帆高:醍醐虎汰朗
天野陽菜:森七菜
須賀圭介:小栗旬
夏美 :本田翼
冨美 :倍賞千恵子
天野凪 :吉柳咲良
安井 :平泉成
高井 :梶裕貴
カナ :花澤香菜
アヤネ :佐倉綾音
キムラ :木村良平
『天気の子』も同じく主要キャラを俳優が演じ、サブキャラを本職声優が演じるパターンでした。
『君の名は』と比べると微妙だったかなぁ・・・俳優陣の演技がやっぱりたどたどしく感じてしまいましたね。特に小栗旬さんは結構違和感ありました。
逆にPVで下手すぎて炎上した本田翼さんは良かったです。滑舌はよくなかったですが演技が上手いというよりナチュラルな感じで夏美というキャラがより生き生きして見えました。
主題歌・挿入歌の比較
君の名は。
・RADWIMPS
「前前前世」主題歌
「スパークル」挿入歌
「夢灯籠」OP
「なんでもないや」ED
RADWIMPSの曲がバッチリハマってましたね。特に「前前前世」は『君の名は。』の大ヒットと同じくヒットし、今でもカラオケでよく歌われるぐらいの大人気ソングとなっています。
個人的にはEDの「なんでもないや」が凄く好きです。壮大な映画が終わった後の優しさに包まれたメロディと歌詞がお気に入り!今でもよく聴いています。
天気の子
・RADWIMPS
「愛にできることはまだあるかい?」主題歌・ED
「グランドエスケープfeat 三浦透子」挿入歌
「風たちの声」挿入歌
「祝祭feat 三浦透子」挿入歌
「大丈夫」挿入歌
今回も同じくRADWIMPSが歌を担当。三浦透子さんとフィーチャリングしている曲もあり。
主題歌でスタッフロールでも流れる「愛にできることはまだあるかい?」は素晴らしい曲でした。映画の感動をさらに盛り上げてくれるようなさすがRAD!な曲です。
今回は前回より多い全5曲だったんですが、正直多すぎた印象・・・挿入されるシーンが多すぎて「また?」と冷めてしまう事も。曲自体は悪くないんですが・・・でも主題歌しか印象に残らなかったなぁ。
主人公とヒロインの比較
君の名は。
©2016「君の名は。」製作委員会
『君の名は。』の主人公は立花瀧(CV.神木隆之介)
ちょっとやんちゃだけど普通の男子高校生です。
前半は今時の高校生として無邪気でしたが、後半に三葉と糸守町を救うために奔走する姿は本当に格好良かった。どんなに困難でも絶対に諦めない断固たる決意を持つ主人公でした。
ヒロインは宮水三葉(CV.上白石萌音)
等身大の活発な女子高校生です。
瀧が気になりこっそり東京に会いにくなど初々しい一面も持っています。彗星が落ちる事が分かってからは皆を助けるために、冷静かつ大胆に動く事のできる確かな強さを持ったヒロインでした。
物語の性質上、二人でいる事がほとんど無かったので恋愛面は少し弱かったかも?でもやっと会えた時の絆の深まり方は強かったように思えます。
天気の子
©2019「天気の子」製作委員会
『天気の子』の主人公は森嶋帆高(CV.醍醐虎汰朗)
暴走系の男子高校生。
普段は大人しい性格。しかし、陽菜を助けるために警察をも敵に回し銃を振り回す、思春期ゆえの過激さを持つ主人公です。
ヒロインは天野陽菜(CV.森七菜)
数奇な運命に振り回される女子中学生。
雨を止めて晴れにする等天候を操る力を持つ。しかしその力ゆえに人柱にならないといけない運命に。可哀想な境遇のヒロインです。
年齢以上に稚拙さが目立つ二人でした。穂高はキャバクラのボーイとして働こうとするし、陽菜は風俗で働きそうになったり。
しかし、そんな未熟な二人だからこそ世界を敵に回してでも自分たちの幸せを掴もうとする力があったと思います。
<個人的感想>
主人公とヒロインについては『天気の子』の方が色んな意味でキャラが強かったと感じました。二人でいる事も多く、恋愛描写も多めでしたし。
『君の名は。』の最後に手のひらに「すきだ」と書く距離感も好きですけどね。
前半のストーリーの比較
君の名は。
©2016「君の名は。」製作委員会
ある日、東京に住む瀧と岐阜に住む三葉の身体が入れ替わってしまう。
その入れ替わりはその後も定期的に訪れた。
最初は戸惑っていた二人だが、入れ替わるのが楽しく感じる時も増えてきて、入れ替わりの状況にもなじみ始める。
しかし、その入れ替わりは突然無くなってしまう。
普通にコメディとして楽しい前半です。特に奥寺先輩とのラブコメはワクワクするような面白さがありました。中身が瀧の時より三葉の時の方が好かれて、瀧だけでは上手くいかないのが何とも言えないリアルさがあって良かったですね(笑)
この前半から後半の展開は予想がつかないので、新海監督のストーリー構成の上手さには感嘆してしまいます。
天気の子
©2019「天気の子」製作委員会
高校1年生の穂高は家出をして東京へ向かう。
しかし、どこでも働けず困った穂高は偶然出会った須賀の家で住み込みで働くことに。
そんな中で穂高は陽菜と出会い陽菜の持つ「晴れにする力」を使った晴れ女の仕事を始める。
東京のダークな部分(風俗、キャバクラ等)が描かれ、驚いてしまう序盤でした。
序盤は穂高が東京の闇を体験して須賀の元で謎な仕事をするんですが、正直退屈さを感じましたね。陽菜に出会ってからは物語も動いていくので面白くなってくるんですが。
晴れ女としての活動場面では映像の綺麗さがヤバかった!雨間から晴れになる演出が美しすぎて感動します。ただこんな活動続けていたら大騒ぎになるだろうと思っていたら案の定の展開に(笑)
<個人的感想>
前半のストーリーは『君の名は。』は明るく、『天気の子』は少し暗いイメージを持ちました。
観ていて純粋に面白かったのは『君の名は。』。
『天気の子』は風俗の描写や拳銃などバイオレンス感が強く、その後の晴れ女活動とのギャップが大きかった。
後半のストーリーの比較
君の名は。
入れ替わりが無くなり、三葉が心配になる瀧は三葉が住んでいた糸守町を探す。
すると糸守町は3年前に彗星が落ちたことで消滅しており、三葉を含めた500人以上が亡くなっていたことが判明する。
何とか助ける手段を探す瀧は奉納した三葉の口噛み酒を呑む事で、もう一度三葉と入れ替わる。
しかし、自分の力では町民を避難させるのが無理だと悟り、三葉と会うためにご神体のある山へと向かう。
驚愕の展開にもう釘付けです。
入れ替わった二人は実は時間軸が違っていて、要所で出てきていた彗星が原因で三葉が死んでいたという驚き。後になって観てみると確かに伏線があるんですが、それを気付かせない作りが非常に上手い。
もうこれどうするの?状態から希望を見つけ、二人がお互いを呼び合うシーンは胸を揺さぶられます。
天気の子
晴れ女は依頼が殺到しすぎて休業する事に。
そして穂高は行方不明届が出ている事から警察に見つかり、更に拳銃を所持している事もばれてしまう。
更に陽菜も小学生の弟との二人暮らしに児童相談所が介入することになる。三人は一緒に逃げ出すことに。
その頃雨が降り続く異常気象が続いており、それは陽菜が人柱にならないとおさまらない事が分かる。
陽菜はその事を知り、皆を守るため穂高たちが寝ている間に天に昇り人柱となる。
穂高が起きてそれに気づくが同時に警察が踏み込み逮捕される。
こちらも怒涛の展開です。
ただ人柱になる部分はともかく、三人で逃げ出すのは完全な暴走ですね。思春期ゆえの自分たちの正しさが全てというのは賛否を呼ぶ展開でした。
お金もすぐ底をつく状態で警察にも追われている未成年三人の逃避行は愚かです。だけどそれが思春期の純粋さなんですよね。この辺は新海監督の描写の上手さに脱帽です。
<個人的感想>
後半はドラマチックな『君の名は。』に比べ、ネガティブさに溢れた『天気の子』とはっきり物語も分かれてきました。
明るい前半から絶望に落ちるもそこから希望に向かう『君の名は。』は観ていてどんどん引き込まれました。
一方、『天気の子』は暴走していく主人公たちに複雑な心境になります。
意外性という面でも『君の名は。』の脚本の巧さが目立ちました。
クライマックスの比較
君の名は。
©2016「君の名は。」製作委員会
二人は時を超えて再会する。
しかし二人が出会えたのも束の間、すぐにお互いの元の世界に戻されることに。
瀧から彗星が直撃する事を教えられた三葉は町に戻るも避難計画が町役場にばれてしまい、上手く進まない。
三葉はくじけそうになるが、手に瀧が書いた想いに励まされ、父親である町長のもとに向かう。
そして、瀧はご神体の場所で目を覚ます。
二人とも入れ替わりの記憶は無くなっていた。
もう手に汗握る展開の連続です。「ちょっと休ませて」な状態(笑)
今まで必死に救おうともがいていた瀧からバトンを受けた三葉の奮闘が泣けるんですよ。そして彗星が落ちるもどうなったのかあえて描写しないのが新海監督の上手いところです。
天気の子
©2019「天気の子」製作委員会
警察に捕まるも隙を見て逃走する穂高。
陽菜が天に昇る場面を夢に見ており、その場所に向かう。途中警察に追いかけられるが須賀や夏美に助けられ無事に目的地に着く。
そして、穂高も天に昇り雲の上にいた陽菜を見つける。
穂高は天気より陽菜が大切なことを伝え、二人で地上に降りていく。
穂高が天に昇るシーンは凄まじい映像演出です。雲の間を飛び回る龍神は神々しく恐ろしさを感じ、陽菜が眠っていた場所も美しい景色でした。
二人で降りるシーンも感動です。他の何より陽菜を選んだ穂高の言葉は格好良かったです。
ただ警察から逃げるシーンは明らかに主人公サイドが悪いので、ちょっと冷めてしまう部分も。警察は一貫して正しいんですが最後まで敵役で何だかなぁという感じ。
<個人的感想>
クライマックスは、二人がバラバラに奮闘する『君の名は。』と主人公がヒロインを助けに行く『天気の子』とまた展開は分かれています。
どうなるか分からないドキドキ度は『君の名は。』が圧倒的です。
『天気の子』も圧倒的な映像演出で魅せました。
ラストの比較
君の名は。
糸守町に彗星が落ちた時に町民は全員避難しており、死者は出なかった。
5年後、瀧と三葉は奇しくもお互い東京で暮らしていたが、入れ替わりの記憶は無くなっていた。
しかし、誰かを探しているという記憶はぼんやりと残っている。
そんなある日、二人は偶然再会する事に。
相手が探してる誰かだと感じ取り、お互いの名前を尋ねた。
これは泣けるラストですよ。
無事に助かったというのがサラッと流れるのが良いですよね。
新海作品ではバッドエンドも多いので、これも二人は出会わないで終わるんじゃ?という不安を感じている中で最後に出会い名前を尋ねる。ここでタイトル回収するにくい演出(笑)もう感動で泣いちゃいましたね。
天気の子
穂高は警察に捕まり、実家に戻されることになる。
3年後、高校を卒業した穂高は東京に向かう。
東京は陽菜を取り戻した影響で雨が降り続け、水没が進んでいる状態であった。
穂高は陽菜に会えずにいたが、会う事を決意。
そして二人は雨降るなかで再会を果たした。
このラストも感動です。ただ泣ける感動と言うより、胸が重たくなるような感動です。
自分たちの幸せの為に多くの人の幸せを犠牲にしたのだから単純なハッピーエンドでは無いですよね。
でも穂高は後半からはずっとこういう考え方だったので一貫性があって良かったんじゃないかな?ご都合主義で雨が止んだら今までは何だったんだ?となりますし。
ただ賛否両論になるラストだとは思います。
<個人的感想>
純粋なハッピーエンドの『君の名は。』とバッドエンドに近いハッピーエンドの『天気の子』。
これは好みが分かれるのではないでしょうか。
個人的にはどっちも好きでしたね。
脚本(全体のストーリー)の比較
君の名は。
©2016「君の名は。」製作委員会
脚本はほぼ完ぺきだったと思います。
上手く伏線を隠しつつコメディタッチで進んだ前半と伏線を回収しつつドラマチックに進んだ後半は素晴らしかったです。
口噛み酒でもう一度入れ替わるのなんて上手いですよね。最初はちょっと気持ち悪い風習やなぁと思わせといて、それが物語の重要なキーポイントになるとは・・・
細かい事を言うと瀧が彗星の事故を覚えていなかったのは不自然だなぁとは思いましたが、特に気になったのはそれぐらいでしたね。
天気の子
©2019「天気の子」製作委員会
脚本は正直粗い部分が多かったです。
穂高や陽菜の背景があまり描写されなかったので、何でそこまで無茶をするかの説得力が感じられませんでした(新海監督はあえてそうしたようですが)
ご都合主義も多かったです。警察から逃げて陽菜のもとへ行くまでが偶然の要素が強すぎる(夏美がバイクでたまたま通りがかったり)、そもそもなんで陽菜と同じように天に昇れたかもよく分かりません。
細かいところをあげるとキリがありませんが、そういう粗は数多く感じてしまいました。
ただやっぱり感動しましたし、粗を帳消しにするぐらいの良いところもある作品だったとは思います。
興行収入の比較
『君の名は。』は301スクリーンで公開し、好評から徐々に拡大上映。
351日間にも及ぶ異例のロングランになり、最終興行収入は250.3億円。
これは歴代映画の興行収入ランキング4位にランクインするほど超大ヒット!(2019年7月現在)
まさに映画史に残る作品となりました。
『天気の子』は『君の名は。』を超える448スクリーンで公開。
現段階(2019年7月26日現在)で19.5億円を記録。これは『君の名は。』を超えるペースのようです。
大ヒットは間違いなしですが、勢いは落ちてきているようで『君の名は。』ほどリピーターが少なくロングランにはならないかも・・・
そもそも興収250億円は異常なレベルなので超える事は無いでしょうね。
なので『天気の子』が『君の名は。』の興行収入は超える事ができないと予想します。
<まとめ>『天気の子』『君の名は。』の比較
色々と比較してきましたがどちらも面白い作品であることは間違いありません。
ただ、個人的には『君の名は。』の方が上・・・というより『君の名は。』が完璧すぎたといったところでしょうか。
でも新海監督の作品には今後も期待していきたいと思える2作品でしたよ。
次回作はどんな作品なのか?楽しみです。