『君の名は。』スタッフ
<監督・脚本>
新海誠
『天気の子』『秒速5センチメートル』
<制作>
コミックス・ウェーブ・フィルム
<主題歌>
RADWIMPS
「前前前世」
<声優>
(声優:役名)
神木隆之介:立花瀧
上白石萌音:宮水三葉
長澤まさみ:奥寺ミキ
市原悦子 :宮水一葉
成田凌 :勅使河原克彦
悠木碧 :名取早耶香
島崎信長 :藤井司
石川界人 :高木真太
谷花音 :宮水四葉
大原さやか:宮水二葉
井上和彦 :瀧の父
茶風林 :勅使河原の父
花澤香菜 :ユキちゃん先生
など
『君の名は。』あらすじ&PV
千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。小さく狭い町で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。
「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」
そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。
行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。二人は気付く。
「私/俺たち、入れ替わってる!?」
二人の運命の歯車が、いま動き出す。
引用:『君の名は。』公式サイト
『君の名は。』ネタバレ無しレビュー
©2016「君の名は。」製作委員会
個人的評価: S
『天気の子』『秒速5センチメートル』等、数多くのアニメ映画を手掛ける新海誠監督が一躍有名になった作品です。
✅やっぱ映像凄い
✅前半、意外に伏線多かった
✅彗星事故が分かった時の絶望感
✅後半は怒涛の展開すぎてヤバい
✅スパークル挿入シーンは神、涙不可避
✅良い意味で新海ぽくない作品
✅三葉の可愛さは至高まとめ:アニメ史に残る名作 pic.twitter.com/gFZeeZpBS4
— ハスケ@アニメ・漫画・映画LOVE! (@hasuke_hobby) July 30, 2019
映画公開時は社会現象になるぐらいのヒットを見せて、アニメ映画歴代2位の興行収入250億円を達成しました(1位は千と千尋の神隠し)
自分も当時劇場に観に行きました。
今回は改めてこの名作映画をレビューしていきます。
何といっても新海監督と言えば映像技術。今作も最高です。
『天気の子』の都会の雑多な描写の凄さに驚きましたが、『君の名は。』の田舎の描写も凄い。木々の緑が本当に綺麗でした。
そして何より今作の良かったところは「脚本の妙」
前半からは予想のできない展開で後半に繋ぐのが上手すぎる。
ストーリーの起承転結が本当にしっかりしているんですよ、退屈すること無くずっと引き込まれます。
個人的には「起承転転転結」といった感じで転が多かったイメージですが(笑)
自分の中では「転」が多い作品ほど面白い!それだけ盛り上がるシーンが多いということですからね。
キャラは三葉が好きでした。勝気な性格なんですけどめっちゃ健気なんですよ。
運命に翻弄されながらも自分の想いを強く持っていて、その姿を見てると泣けます。
でもあくまでも等身大の女の子なのが良いんです。まさに至高の可愛さ。
©2016「君の名は。」製作委員会
悪かった点はほとんど無いんですが、あえて言うなら強引な部分もあったかな。
作品を台無しにするようなものではないですけど、冷静に考えるとなぜそれを忘れてるの?なんていうところもありましたね。
設定が凝っている分、ほころびもで安い部分はあったかもしれません。
『君の名は。』の声はメインは俳優が演じ、脇は本職声優が演じています。アニメ映画に多いパターンですね。残念な演技になるパターンが多いですが今回のメンバーは全員良かったです。
三葉役の上白石萌音さんは男verと女verを上手く演じていましたし、奥寺役の長澤まさみさんも長澤さんと分からないぐらいの自然な演技でした。
そして一番良かったのは主役の神木隆之介さん。いやぁ神木さんは何をやらしてもホント上手い。『サマーウォーズ』『借りぐらしのアリエッティ』など声優経験も豊富なだけあって声の演技は素晴らしかった。しかも声質が格好良すぎ!
今までの新海誠作品が好きって人にはこの『君の名は。』はイマイチかもしれません。
新海作品と言えば、悲哀・切なさが特徴でした。『君の名は。』にもその要素はありますが、今までと作風が違うのは事実です。
自分は新たな新海誠として受け入れて楽しむことが出来ましたが、コアなファンからしたらまた違った感想になってもおかしくないとは思います。
観てない人は絶対観ようぜ!
©2016「君の名は。」製作委員会
レビュー書いといて何なんですが、できるだけ前情報入れないで観た方が衝撃が凄いと思う。自分は初見時は下調べも無く軽い気持ちで観に行ったのでとんでもないインパクトでした(笑)
間違いなくアニメ史に残る名作です。
下にネタバレ有りのレビューもあるので、映画鑑賞済みの方はぜひご覧ください!
<どんな層にオススメ?>
・ファミリー層:〇
大人も子供も楽しめる物語
ただ小さい子供にはちょっと難しい部分も
・ティーン層 :◎
主人公とヒロインの年齢的にもピッタリ
感情移入しやすい
・カップル層 :◎
一番オススメ!
恋愛要素も強いので盛り上がること間違いなし
・一般男性層 :〇
単純な青春物語じゃなく
謎要素も強く楽しみやすい
・一般女性層 :〇
映像の綺麗さ、良質な恋愛物語など
好きになる要素多いのでは
・新海作品好き層:△
今までの新海作品と割り切って観るべし
『君の名は。』ネタバレ有りレビュー
※がっつりネタバレしてるので映画を観てから見るのをオススメします!
明媚な映像の数々
新海作品と言えば映像の事を語らないわけにはいかないですよね。
『君の名は。』も当然に綺麗な映像のオンパレードでした。中でも特に目が引いたのは糸守町、いわゆる田舎の風景です。
©2016「君の名は。」製作委員会
緑の木々の絶妙な色彩感覚と葉っぱの動き、画面内に自然が生きているのが伝わってくる明媚さでした。東京の都会も上手く描かれていましたが、田舎は更に凄かった。新海監督恐るべし。
もう一つ注目せざるを得ないのはやはり「彗星」でしょう。この作品のカギにして一番重要なファクターです。これが本当に美しく描かれているんですよ。
©2016「君の名は。」製作委員会
最初はその美しさに感動するんですが、まさかその美しさが三葉含め糸守町の住人の命を奪う存在になるという二面性にやられました。
美しくあればあるほど恐怖に変わる・・・新海監督は天才だわ・・・
挿入歌のタイミングが神すぎる
『君の名は。』の歌は全てRADWIMPSが担当。これが大正解!
OP『夢灯籠』ED『なんでもないや』も最高でしたが、作中に挿入される2曲があまりにも神すぎた・・・
まずは一躍大ヒット曲となった『前前前世』。瀧と三葉が入れ替わって日常を送る際に流れました。
©2016「君の名は。」製作委員会
入れ替わった時の描写って実は結構削ってるんですよ。ダイジェスト化してましたよね。
しかし、そこに疾走感あふれる『前前前世』を流す事で凄く効果的に作用していました。この使い方は上手すぎた。
そして、クライマックスで流れる『スパークル』。これはもう神すぎる以外の言葉が無い。
瀧から事情を聞いた三葉が彗星が落ちる前に住民を避難させようと奮闘するシーンで流れます。
©2016「君の名は。」製作委員会
今にも彗星が降りそうなこの緊迫感溢れる場面で、あえてゆったりとしたペースの「スパークル」を流すんですよ、挿入歌の使い方が神がかってる・・・
それだけでも感動してたんですが、一度曲が止まるんです。当然もう歌は終わったとこっちは思います。
そして場面は進み、三葉が上手くいかずめげそうになるところ。瀧が手のひらに書いたメッセージを思い出し見るとそこには「好きだ」の文字。そして終わったと思った「スパークル」がサビから再び流れる・・・泣いた(涙)
『君の名は。』は今まで観た映画で一番挿入歌のタイミングが上手かった映画かもしれません。
文句がつけられない巧みな脚本
『君の名は。』のストーリー構成は巧みで文句がつけられません。
前半の入れ替わりパートはコミカルに描かれていて楽しく観れます、これだけでも十分面白いラブコメレベル。しかし、入れ替わりが終わり三葉が実は亡くなっていたことが分かると作品の雰囲気は一変。
この楽しい前半から絶望の後半を予想させない構成がマジで上手い。
いわゆる「起承転結」の「転」がこの彗星事故発覚だと思うんですけど、こっからの怒涛の展開がまた凄いんですよね。瀧くんが最後の希望を掛けて口噛み酒飲んで入れ替わった時点で無事解決と思うじゃないですか。
しかし簡単にはいかず苦難が続くんですよ、確かに子供がいきなり彗星が落ちると言っても信じられないのも無理はない。
そして、ここから三年前の電車での出会い、カタワレ時に奇跡の邂逅、三葉がくじけそうになった時に瀧が書いた手のひらの「すきだ」を見る、と名シーンが流れるように続きます。
近くて遠かった二人がやっと通じ合った展開に感動で胸が熱くなります。
©2016「君の名は。」製作委員会
そして彗星の落下、ここで無事避難できたかをあえて描かず、その後の就活中の瀧くんに場面がシフトするのが本当にニクい。新海監督の良い意味での嫌らしさが出てる(笑)
しかも新海作品と言えばBADEND、彗星事故から助かった事は分かりますが、このまま二人は再会しないのでは・・・と不安にさせてくるんです。
しかし、最後に再会。ここでも一瞬すれ違いそうになるのがもうね(笑)
でも最後は年下の瀧くんから声をかけるのがまた良い。そして最後に「君の名前は?」とタイトル回収。もうこれは100点満点だぜ!
改めて見直すと前半にも伏線が結構あるんですよね。組紐とか注目すると面白い。
OPのタイトルが出るシーンが彗星を三葉が見るシーンなのは二回目に観るとゾクッとしてしまう演出です。
©2016「君の名は。」製作委員会
<まとめ>『君の名は。』感想・レビュー
©2016「君の名は。」製作委員会
つい長々と語ってしまいましたが、まさにアニメ史に残る名作だと思います。もう一度同じぐらいの名作を作れと言われても難しいでしょう。
社会現象になるほどの大ヒットになったのは、それだけたくさんの人の心を引き付けたからです。自分も何回でも観たい大好きな作品になりました。
これからのアニメ界を引っ張る一人である新海監督には、これからも期待していきます。