どうも、映画大好きブロガーhasuke(@hasuke_hobby)です。
今回は2019年10月公開の映画『ジョーカー』のラストシーンを考察していきます。
映画のラストシーンという事で、当然超ネタバレになっていますので注意!
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それではまずラストシーンを簡単にまとめています。
映画『ジョーカー』ラストシーン
生放送中にマレーを射殺した後、アーサー(ジョーカー)はパトカーで連行される。
しかし、暴徒の運転する車がパトカーに突っ込み、アーサーは助け出された。
暴動で街が炎上する中でジョーカーは車の上でダンスを踊り、人々はその姿に熱狂していく・・・
ここで場面が変わり、病院でカウンセラーと話をするアーサーに。
アーサーは微笑みながら、倒れている両親と少年ブルース・ウェインの姿を想像する。
精神科医になぜ笑っているかを尋ねられるとアーサーは「ジョークを思いついて・・・君には理解できない」と答えた。
更に場面は進み、部屋から出てきたジョーカーは血の足跡をべっとりと残しながら、病院を職員に追われて逃げ回る。The End。
映画『ジョーカー』ラストシーン考察
さて、この謎多きラストシーン。
他の方の感想を見ている、色々な解釈に分かれていて面白いです。
先述してしまうと、このラストシーンの解釈には正解はありません。
監督の中では決まっているようですが、明らかにはせず・・・
ただ、最後のアーサーの笑顔は「唯一純粋に笑っている」だそうです。
いわゆる「正解は皆さんのご想像にお任せします」というラストなので、考察大好きブロガーとして考察してみました!
まず、大きく3つの可能性を考えました。
(A)精神病院で入院していたアーサーの妄想物語
(B)最後の病院が現実では無い
(C)後に逮捕されて病院に収容となった
細かくはもっと解釈がありますけど、キリが無くなるのでこの3つに絞って考察していきます。
(A)精神病院で入院していたアーサーの妄想物語
これが一番見かける解釈に思えます。
今回の映画で描かれた物語自体が、精神病院で入院していたアーサー(ジョーカー)の妄想だったというオチ。
<あり得そうな要因>
・アーサーは精神病院に入院していたと作中でも言及
・一部、ストーリー展開が現実的ではない
・「ジョーカー」という掴みどころのない狂気なキャラクター
アーサーは映画の中でも過去に精神病院に入院していたと言われていました。
それが伏線のようにも思えます。
そして作中のシーンで、一部現実なのか?と思うシーンもあるんですよね。
©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & ©DC Comics
例えばマレーのTV番組で(笑い者にされるという趣旨だが)アーサーのコントが取り上げられて、更に番組にも招待される。
ここの非現実感は鑑賞しながら気になっていました。
普通、小さな劇場でのコントが人気テレビ番組で無断で流されるというのはあり得ないと思うんですよね。
しかし、劇中では特に妄想という描写は無く・・・
だとするなら、そもそも全てが妄想だったというのもあり得るかもしれない。
そして、ヴィランとしての「ジョーカー」のキャラクター性。
狂気に溢れており歪んだユーモア性を持つ残虐な男。
そのキャラクター性から考えると全部妄想だったという悪趣味さも納得できるところも。
ただ、個人的にはこの説は無いかな?と思っています。
野暮な見解ですがここまで細かい部分(ジョーカーがいない部分を含め)まで妄想できるか?という現実的な観点に加え、作中でアーサーが幾度となく感情を震わせていた描写を妄想とするのは違う気がするんですよね。
最後のカウンセラーを殺した(?)ような描写ともちょっと解釈が合わないような気がする。
そして何より、ブルース(バットマン)との因縁も生まれません。
というより、『バットマン』という作品自体がジョーカーの妄想になってしまいます。
このオチはこれはこれで面白いんですが、やっぱり個人的にはしっくりこない説ですね。
(B)最後の病院が現実では無い
これはあまり聞かない解釈ですが、自分は結構あると思ってます。
『ジョーカー』の物語は車の上で踊っているシーンで終わり。
その後の精神病院のシーンはアーサーの妄想、もしくは幻想だったというオチ。
<あり得そうな要因>
・炎上した街の状況からなら、普通に逃走できるのでは?
・病院のジョーカーは髪が緑色じゃない
・病院内で足跡に血がついていたり、眩しすぎる陽射しなど幻想的な描写が多かった
まず、暴徒化したピエロのおかげで炎上した街の状況では、その後警察が駆け付けたとしても容易に逃げられるように思えます。
更には病院内のジョーカーは髪色が緑では無く、地毛の茶色であった。
この事から事件後すぐに逮捕されたとは考えづらい。
そして、病院内の描写ですがカウンセラーとの面談は特に気になりませんが、その後のシーンは独特でしたよね。
アーサーが歩くと血の足跡がつき、妙に眩しい廊下を走り回る。
現実から解き放たれたジョーカーの心理状態を幻想的に描いたようにも思えました。
©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & ©DC Comics
やはり全てが妄想と言うよりは、真実の物語でありジョーカーが誕生したとする方が納得がいくんですよね。
ブルース(バットマン)との因縁も生まれ、『バットマン』のストーリーにも入っていけます。
ただし、最後の病院シーンが全部妄想(幻想)だったというのは、普通に考えるとちょっと厳しい気がします。
次の解釈でも書きますが、ジョーカーはもっと後に捕まった、病院で髪色を戻されたとする方が普通の考えではあるんですよね。
個人的には好きな解釈ですが、一番無理がある解釈かもしれない。
(C)後に逮捕されて病院に収容となった
この解釈が一番無難というかしっくりくるオチですね。
炎上した街でジョーカーとして君臨した後に(期間は不明)捕まって、精神異常者と診断され病院に収容となったというオチ。
<あり得そうな要因>
・映画の時系列通り
・身元もばれており超人的な力も無いので、捕まらないのは逆に不自然
・病院でのアーサーはジョーカーとして覚醒しているように見える
ジョーカーとして完全に覚醒した後、すぐに捕まったかは分かりませんが逮捕されて精神病院に収容となる流れは時系列としては綺麗にまとまります。
大人になったバットマンに捕まった説を見ましたが、それも面白い。
カウンセリング中のブルースの姿を想像するのにも繋がるしね。
ただし、そうなると相当後の話になるけどアーサーの見た目が変わってない笑
「ジョーカー」はヴィランですが超人的な能力は持っていません。
更に覚醒した後はまだ悪事にも慣れておらず、覚醒はしても未完成なジョーカー。
そう考えるとあの場では逃げられても、その後捕まるのも自然です。
病院でのアーサーはカウンセラーとも臆せず対峙しており、カウンセリング中でもブルースを想像して笑うなど明らかに今までのアーサーより狂気寄りでした。
血の足跡から推測されるカウンセラーを殺害したであろう残虐性、その後におどけたような動きで走り回る狂気、ジョーカーとして覚醒している姿と考えるとピッタリなんですよね。
©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & ©DC Comics
そして、(B)の説と共通しますが作中で描かれた物語も真実になり、続編の有無はともかく『ジョーカー』という作品が『バットマン』シリーズの一つになります。
腑に落ちない部分といえば、ここまで悪のシンボルとなったジョーカーを死刑にせずに精神病院に収容しているだけ?という疑問と、上でも触れたストーリーに一部妄想だったのではと思われるシーンの真偽は?という部分は気になります。
<まとめ>『ジョーカー』ラストシーン考察
このように絶対これだ!という考察はありません。
現実と虚構の交じり合いを絶妙なバランスで表現して、あえて正解をぼやかした作りにした映画です。
答えは監督のトッド・フィリップスのみぞ知るという事でしょうか。
個人的には(B)か(C)の解釈と思っています。
なお最初に鑑賞した際、直観的に感じたのは(B)でした。
こんな風に自分なりの解釈をしてみましたが、人それぞれに様々な解釈があると思います。
この記事はそんな解釈をする際のスパイス的存在になれば嬉しいですね。
ラストシーンの答えを監督がいずれ明かすのか?それとも続編的な作品が制作されるのか?
どっちもあるかもしれませんし無いかもしれませんが、期待しましょう!