(映画)感想・レビュー

MARVEL最高傑作!<感想・レビュー>『スパイダーマン: スパイダーバース』

スパイダーバース スパイダーマン 映画

 

原作 スタン・リー
スティーヴ・ディッコ
ブライアン・マイケル・ベンディス
監督 ボブ・ペルシケッティ
ピーター・ラムジー
ロドニー・ロスマン
製作国  アメリカ合衆国
公開日 2019年3月8日(日本)
個人的評価 評価 S
アクション コメディ MARVEL スパイダーマン 家族愛 アカデミー賞長編アニメ映画賞

『スパイダーマン: スパイダーバース』あらすじ

ニューヨーク、ブルックリン。

マイルス・モラレスは、頭脳明晰で名門私立校に通う中学生。

彼はスパイダーマンだ。 しかし、その力を未だ上手くコントロール出来ずにいた。

そんなある日、何者かにより時空が歪められる大事故が起こる。

その天地を揺るがす激しい衝撃により、歪められた時空から集められたのは、 全く異なる次元=ユニバースで活躍する様々なスパイダーマンたちだった――。

『スパイダーマン: スパイダーバース』ネタバレ無しレビュー

これは最高傑作だ!(マーベル映画観た後はよく言ってます笑)

マーベル好きは絶対観るべし!スパイダーマン好きも絶対観るべし!

というかアクション系が苦手な人以外はオススメですよー

語る部分が多すぎて困りますが、まず特筆すべきは映像技術。

スパイダーマンらしいスピーディかつスタイリッシュなアクションがハイレベルで表現されていました。

また、本作を語る上で外せないのはコミック描写をアニメーション映像に落とし込んでいた事。

セリフの吹き出しや効果音がまるで漫画の様に画面に自然に出てきます。

それも一回ではなく、作中でかなり多めに出てきます。

自分が好きだったのは同じスパイダーマンを感知する時に出る電波のようなやつ。

スパイダーマン スパイダーバース

漫画じゃよく見るけど、アニメーションじゃなかなか無いですよね。

そして、他に良かった点として、テンポが凄く良かった。

2時間があっという間に終わり、中だるみもなく集中して最後まで観ていられましたね。

また本作の売りでもある主人公含めて6人のスパイダーマン

皆個性豊かで魅力あふれるキャラでした。

それだけにもうちょい時間を使って交流してほしかったなぁとは思います。

最後に脚本の素晴らしさ。

主人公のマイルスの話、同じ世界のスパイダーマンの話、並行世界からやってきた5人のスパイダーマンの話、ヴィランを止める話。

これだけごちゃごちゃしてたら普通グダグダになりますよね?それが上手くまとめられているんですよ。

それでいてテンポも良いんだから文句のつけようが無い。

ディズニーアニメをおさえて、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞したのも納得です。

ぜひ、その衝撃を体験してください!

『スパイダーマン: スパイダーバース』ネタバレ有りレビュー

登場キャラクター紹介

※CVは日本語吹き替え版

マイルス・モラレス(CV.小野賢章)

Miles Morales マイルス・モラレス

本作の主人公。落書き大好き。

やんちゃけど賢さも持ってる普通の高校生、突然変異のクモに噛まれて特殊な能力を得る。

とにかく頑張った男の子。

挫折、葛藤、悲哀、色んな事を経験してスパイダーマンになりました。

自分でペインティングしたスパイダーマンスーツはセンス良いね!

ピーター・B・パーカー(CV.宮野真守)

Peter B Parker ピーター・B・パーカー

並行世界のピーター・パーカー。メタボ。

自分の世界ではMJとも離婚し、すっかりダメ男になっていました。

最初は「こいつあかんやん」って思いましたが、進むにつれてやっぱり格好良さ溢れるヒーローでした。

軽口を叩くも強い正義感を持つ「ピーター・パーカー」そのものですね。

グウェン・ステイシー(CV.悠木碧)

Gwen Stacy グウェン・ステイシー

並行世界のスパイダーウーマン。マイルスのせいで刈り上げに。

クールビューティなキャラクターで影のリーダー的存在でした。

スパイダーグウェンの白と黒のスーツもお洒落で良かったです。

マイルスと友達になれてよかった、これからも繋がりがありそうかな?

スパイダーマン・ノワール(CV.大塚明夫)

スパイダーマン・ノワール

『スパイダーマン・ノワール』の主人公。白黒世界なので常に白黒。

ハードボイルド、地下なのに風でコートがなびく謎の設定持ち(笑)

クールそうに見えて熱い性格でした。

鉄拳で敵をボコる姿はしびれたぜ、兄貴!

ペニー・パーカー(CV.高橋李依)

ペニー・パーカー

並行世界の日系アメリカ人の高校生スパイダーウーマン。可愛い。

うん、可愛い。大事な事なので二回言っときます。

日本のアニメを意識して作られたキャラだけに、絵柄が浮いてるのが逆に持ち味でしたね。

常にロボットに乗り込んで戦う異色のスタイル。

糸を出すのもロボットなのでペニー自体は糸は出しません。

可愛いだけでなく、決めるところは決める格好良さも持ち合わしたキャラでした。

スパイダー・ハム(CV.吉野裕行)

スパイダー・ハム

ブタのスパイダーマン。本当は蜘蛛が豚にかまれたてこうなったようです。

見た目は可愛らしいんですが、渋い声なのが笑える(吉野さんの声がぴったり

常にコミカルな面を崩しませんが、戦うとメッチャ強かった(笑)

変に格好つけず自然体なキャラが好感持てました。

もっと背景を知りたくなりますね。

キングピン(CV.玄田哲章)

キングピン

今作のヴィラン。恐ろしいガタイだが実は普通の人間。強すぎない?

ヒーロー物のヴィランらしいキャラでした。

過去に無くした妻子を取り戻すために、ブルックリン全てを犠牲にする等、理由はあるものの独善的な性格です。

今作の世界のピーター・パーカーを殺すなど随所で圧倒的な力を見せつけます。本当に人間か?

最後もマイルスに負けて警察に捕ままりますが、絶対脱獄するでしょこれ(笑)

主人公マイルスの成長

マイルスの成長はかなり力を入れて描かれてました。

馴染めない高校生活、厳しくも愛のある両親との関係、唯一の理解者であるおじとの関係。

高校生活ではテストをわざと0点にする等、学力はある描写がなされます。

スパイダーマンは賢いという部分があるので、ここで素質があるのが分かります。

そして、マイルスは勉強面では学校についていけるのですが、人間関係や学校の雰囲気に馴染めてないことも読み取れます。

ただ、それって実はマイルス自身が臆病になっていた部分が大きいんですよね。

同室の男の子とはお互い会話をしている描写が無いですが、ラストにスパイダーマンであることを自分から打ち明けて話すことで仲良くなりました。

全編に渡って語られる『勇気』が身に付いた証拠です。

父親との上手くいかない関係も同様で、ラストにスパイダーマンの姿で父親に抱きつき「愛してるよ」と言います。

序盤では父親に促されないと言えなかった「愛してるよ」という言葉。

マイルスがしっかりと成長して『勇気』を持ったから言える言葉です。

ヒーローになる決意とは

『スパイダーバース』で良かった部分として、マイルスがなかなかヒーローになりきれないという描写がありました。

最初は「いつまでグズグズしてんねん、はよ覚悟決めろや」なんて思っていましたが、普通に考えたらまだ高校生の男子がすぐに決意なんかできませんよね。

『スパイダーバース』ではマイルスは数多くの出来事を経て決意し覚醒します。

①ピーター・パーカーに加速器を止める事を託される

②ピーター・パーカーが殺されるのを目の当たりにする

③ピーター・B・パーカーに相手にされないが必死に説得する

③他の世界のスパイダーマンたちにボコられ、立つように指導されるが立てずに失望される

④唯一の理解者であるおじが自分の命を狙う敵だと判明する

⑤おじに正体を打ち明け、おじは攻撃を止めてくれるが、その事でキングピンにおじを殺される

⑥警察官である父親に(スパイダーマンが)おじ殺しと勘違いされる

⑦仲間に「生きていてほしいから」と最終決戦前に一緒に来れないように糸で拘束される

⑧父親にドア越しに信じている事を伝えられて、ついに決意する

決意といってもただの気持ちだけではヒーローにはなれません。

どれだけ挫折しても立ち上がる『勇気』が必要なのです。

マイルスは幾度もの挫折を繰り返し、気持ちだけではどうにもならない壁にぶつかり続けました。

そして、最後にそれを乗り越えたからこそ、覚醒シーンが素晴らしかったし、観てる方も納得できたんだと思います。

映画によっては①②の時点で覚醒する映画もありますからね(さすがに早すぎ・・・)

スパイダーマンたちの強い正義感

スパイダーバース1

マイルスと違って、他の並行世界から来たスパイダーマンたちは既にヒーローになっています。

飄々として癖の強いスパイダーマンばかりですが、きちんと正義感を持っていてヒーローをしています。

その描写が好きでしたね。

ピーター・B・パーカーは加速器で自分の世界に変える事だけしか考えていませんでしたが、マイルスにブルックリン全体が犠牲になることを聞かされると加速器を止める事を決意します。

マイルスを最終決戦に連れて行かない決断をした時も、足手まといだからではなく、「生きていてほしい」から。

皆大切な人を亡くしている告白をするシーンで「全てを救えない」と言っていましたが、だからこそマイルスは救いたいという想いが現れていました。

一番胸に来た場面は加速器を止めるために最後誰が残るかってなった時に、皆すぐに手を上げた場面です。

別世界の人間が残ると粒子が安定せず、いずれ死んでしまう事が分かっている状況でのこの行為はゆるぎない正義感の表れですね。

自分が元の世界に帰る事より、違う世界の住人を守ることを選ぶ、先に死が待っていようとも。

これを躊躇なく決意できるのは本当に格好良いです。

サブキャラクターの描写が少なめ

スパイダーバース

傑作なんですが、唯一勿体ないと思ったのが「サブキャラクターの描写が少なかったこと」

特にペニー・パーカー、スパイダー・ノワール、スパイダー・ハムは良いキャラだっただけにもっと交流が欲しかったですね。

↑の画像にある5人(匹)で天井に張り付いて隠れるシーンなんて最高ですよ。

ああいうのもっと欲しかった!

敵も同様です。

キングピン、ドクター・オクトパス、プラウラーはキャラ立っていましたが、残りのメンバーは強そうだけど影は薄かったかな。

全て積み込むのは無理だとはいえ、ちょっと残念なポイントでした。

『スパイダーマン: スパイダーバース』続編は?

気になる続編はあるんでしょうか?

本作ラストではマイルスに向かってグウェン(?)が別世界から呼びかけている描写がありますので、続編の構想はあるようですね。

今回の5人がまた揃って活躍してほしいです!

ちなみにシリーズとしてはまだまだ原作のストックもあります。

なんと原作では東映テレビドラマ版『スパイダーマン』が出てきます。

この主人公は巨大ロボットに乗り込んで戦うスパイダーマンです。

ネットで有名なので見たことある人はいるでしょう。

更にコミックボンボンで連載されていた『スパイダーマンJ』も出るようです。

日本にも縁深い作品ですね。

アメリカでは興行収入が3億ドルを突破していますが、日本では興行収入はイマイチのようです。

こんなに面白いのになぁ・・・自分はもう一度観に行くつもりです

『スパイダーマン: スパイダーバース』まとめ

さて、近年まれに見る傑作だった『スパイダーマン: スパイダーバース』

コミックをそのままアニメーション化したような映像には脱帽でした。

脚本も高いレベルでまとまっており、本当に素晴らしい作品でしたね。

この映画を観て『勇気』を持つことの大切さを改めて学べました。

何度でも観たい映画ですね。

↓『スパイダーバース』主題歌の公式MVです。作品の良さが満載でオススメです。

 

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